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章末付録参考資料

1. 観測センサー

1.1 波浪観測センサー

沿岸波浪観測で使用される機器には、波高計、波向計、波浪計などがある。ここで波浪計と言うのは波高計と波向計の機能を合わせもつものである。

 

以下、1.1.4?まで、磯崎の資料[1:3.3器械測定]を引用する。

 

業務上の目的によって各種の波浪測定法がある。波の挙動は非常に複雑で、時間的・空間的に変動するから変動の全てを正確に測定できるような万能型の波浪計は存在しない。ある海域に適した装置が別の海域では事実上役に立たなくなることもあるし、また一つの問題に対して理想的なデータが取れる器械が、他の問題からの要求は満たしてくれないことがある。例えば長周期の大きいうねりの上に短周期の波が存在する場合何れを観測の対象とするのかで装置が異なることとなる。センサーの設置位置に従って測定器を分類すると次の3種類となる。

(a) 海中あるいは海底からの測定

(b) 海面における測定

(C) 海面の上方からの測定

このように分類するとそれぞれのグループでセンサー位置の環境が同一であることから機器の長所や欠点を比較しやすい。

 

各種波高計の長所、短所と共にそれぞれに含まれる測定法の原理につき簡単に触れ、最後にリモートセンシングにつき記す。

 

1.1.1 海中あるいは海底からの測定

長所:センサーの環境が海面より穏やかであるためセンサーの安全度が高い。

短所:伝送ケーブルが高価である上、ケーブルが砕波帯を横切る所及び陸上への立上り部でケーブルの絶縁が劣化する。

(1) 圧力式波高計

原理:海面の波動運動に伴って起こる海中の圧力変動を固定点で記録し、これを表面波の理論を用いて海面の波に換算する。

長所:誤差が20%を超えないことが多くの実験結果から立証されている。

短所:水深による圧力増分の減衰が大きいことから、水深の制約を受ける。

(2) 超音波式波高計

原理:海底から海面に向かって超音波パルスを発信し、パルスが海面で反射して戻ってくるまでの経過時間を距離に換算して海面の高さを測定する。

長所:水深による測定値の影響はない。

短所:暴風等で高波が発生し水面から1m−2m程度の層が泡で満たされるような状況になると超音波パルスが分散してしまい、信号が戻って来なくなる。この

 

 

 

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